“のん”が出ているLINEのCMに使われているキリンジの『エイリアンズ』が

若い人たちに再び注目されているようですね。

 

たしかに『エイリアンズ』はものすごくいい曲ですからね。

それでなくても最近90年代から2000年初頭のJポップを

CMに起用しているの多くないでしょうか。

なんか女子高生が無人駅でチャラを大声で歌ってるのとか、

お父さんがでかい車買って急にサーフィンはじめる後ろで

流れてるスピッツとか、吉田羊と女の子がポカリ飲みながら

小沢健二とか。

CM制作側の決定権のあるレベルの人たちが、我々世代だという

こともありますが一つ言えることは新しく生まれる曲にはもう力がないんですよ。

ぜんぜんぜんせかいを〜とか逃げ恥の曲とか、耳馴染みのいい

のはマーケティングとサンプリングとレンダリングによって

生まれてはくるけど、奇跡はもうおきない。

奇跡をもってるのは昔の曲だけなんですよ。

 

 

そんな中、昭和の生んだ奇跡の人、オザケンが新曲を発表しましたね。

とっきにぃ〜〜♪とサビのどんどん上がっていくイントネーションが

津軽弁を思わせるあの曲です。

ついにオザケンが沈黙をやぶって、カサカサに乾いた懐メロ主義の

アラフォーハートに注水にやってきたとか、星野源を倒すために

復活したとかいろいろ言われていますね。

私も期待をこめて聴いてみましたが、正直いまいちでした。

すごくオザケンらしくはあるんですが、誰もが想像できるオザケンらしさ。

私はオザケン神隠しの前に発表された『ある光』の延長線上にあるような

もしかしたら「誰も想像できなかった新しいジャンルの曲」であってほしかったです。

『流動体について』は、アルバム『刹那』に入っていてもおかしくないです。

もちろん『刹那』の曲はどれも大好きですが、なんだあの続きじゃんって感じがして

しまいました。

もしくは徹底的にオザケン is coming back!と思えるようないっそ『LIFE』に

逆戻りするほどのノリノリの極みのポップソングをぶちかましてくれたほうが

かえってよかったかもしれない。

 

歌詞についても、「神」だとか「宇宙」だとかオザケンを象徴する記号は

並んでいるのですが、それもどんどん村上春樹の新刊が自分で自分の

モノマネしてるとしか思えないタイトルになっている現象に近いと思いました。

私は常々オザケンの歌詞の知的さというのは、小難しいフレーズの中ではなくて

小学生の詩みたいにシンプルにハっとさせられるところだったり、

柴田元幸仕込みの英語のフレーズに表れていると思っていました。

特に曲中の合いの手によく使われていた英語のフレーズは、これって本当に

生まれ持ってのセンスがなければ出てこない言い回しなんだろうなと思ったものです。

『流動体について』は、オザケンが帰ってきた!と喜ぶには足りるんですけど、

彼ほどの人ならこのルーティン化した音楽業界をひっくり返すような新曲を披露してほしかったです。

 

 

一方オザケンの再来と巷で言われている星野源は、お友達にも好きな人がいっぱい

いるんで恐縮ですが、控えめに言って大嫌いです。

オザケンが好きだった層が星野源に流れていると言いますが、恐らくそういう方たちは

当時もオザケンの王子様っぽさとか見た目の可愛さとかスペックの高さとかに夢中になっていた

だけなのではないでしょうか。

当時オザケン聴いていた男性ファンは今星野源聴いていないのが一つの証拠です。

 

 

そして話は最初に戻りますけど、洋楽にはまだ「あーこれは本当にスタンダードとして

残っていく曲だなぁ」と思えるものが出てくるのに、Jポップにはもうそういう

可能性を感じない36歳のOLです。

ヒットチャートに上がってくるのには、全部裏で働く上層部の力を感じてしまうのです。

サチモスも横浜の商工会議所が会議してハマっ子集めて作ったフェイクバンドじゃないんですか?

 

こんな風に感じるのは私の脳みそがカピカピのアラフォー懐古主義だからかも

しれませんが、同じことをまだ20代の妹も言っていました。

妹は20代だけど、音楽はもう昔の曲か、昔から活躍している人の曲しかいいのは

ないと言っています。

ただ、鬼龍院翔だけはがんばっているそうです。

 

もう見込みがあるのは鬼龍院翔だけかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

コメント
星野某のくだりとか頷きまくってしまいました・・・
どうしてあんなにみんな好きなんだろう・・・誰にも言えない(みんな好きだから)この思いを代弁してくださりありがとうございます。
そんな私は、今はEテレの子ども番組(主におかいつ)の曲にハマりまくっています。
今一番攻めてるのはEテレでは、なんて思ったりもしてます。
  • by アイコ
  • 2017/04/14 11:50 PM
星野源の曲は好きですよ、ブレイクしてからは興味を失ったので最近の曲は知りませんが。オザケンの再来と思った事は一度もないです。
ミュージシャンとしての星野源は、同じような事を同じようなメロディで何回でもやり、どの曲も同じじゃん、とも言えますがその通底してるものが私には共感できるのです。
嫌いというお気持ちもわかる気がしますので一応どこが好きなのかを言ってみました。
奇跡が起きないのはやっぱり多数の好みをとることが容易になってしまったからじゃないでしょうかね。何でもそこに原因を求めるのはいやですけど、やっぱりネットが発達して、大多数の人が好む形ってのが簡単にわかるようになってしまった。昔の音楽業界も多数はとりたかったんだろうけど、ここまで方法が確立してないから齟齬があって、その齟齬が奇跡を生み出してた面もあったのではないでしょうか。
  • by ひらたまき
  • 2017/04/16 12:07 AM
あ、私も星野源の曲で「みいつけた!」のエンディングでやってる曲は好きです〜クドカンが作詞のやつです。
星野源は俳優としては演技あまりうまくないのになんであんなに評価されてるんだろう〜って思ってあんまり好ましく思ってませんでした。
まあ日本のドラマ俳優でそう思う方は多いですが・・・
  • by アイコ
  • 2017/04/16 11:40 AM
アイコさま ひらたさま
コメントありがとうございます。

アイコさま
おかいつ、実は時間的にあまり観られないんですが新曲でいいのがあるんですね。ゆういちろうお兄さんも
がんばっていますね。
星野源のだとイスの応援歌?とかくだらないのは好きですね。
泣かせにかかってくるやつは好きじゃないです。
子供ができてからEテレ観るようになって、こんなに
攻めてたんだなと思いました。
大人にウケるネタを散りばめてるのがいいですよね。

ひらたさま
星野源さんご本人というよりはもてはやしている女性の層が嫌いなんだと思います。
なんかこう、サブカル女子というか。
星野さん自体は本当に器用でやり手なんでしょうね。
アイコとか二階堂ふみと付き合ってたくらいですし。
奇跡についてはおっしゃる通り、博打みたいなところから
出てくるヒット曲がないからでしょうね。
あと単純に年を取って頭がかたくなったのかもしれません。
  • by tamax
  • 2017/04/18 11:09 PM
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