大学時代の担当教官にすすめられ、一度訪れてみたかった

栃木の那珂川町というところにある美術館「もうひとつの美術館」に

行ってみました。

 

 

明治36年から平成13年まで現存していた小学校の廃校を利用しています。

風の又三郎の世界ですよ。どっどどうど…

建物の外にも至る所に作家の作品とおぼしき陶器の動物やら人形みたいなものが。

校舎の入口を通ると壁に一面描かれたコラージュのようなカラフルな絵。

手前にはギャラリーショップと受付、事務所がありました。

 

展示スペースは元教室。

そのときやっていたのは栃木県足利と岩手県花巻にある二つの施設

「ルンビニー園」に所属する作家たちの作品を集めた展示でした。

年代も性別もばらばらの作家たちなのですが、とにかくどれもこれも

クセがすごすぎて、これが誰の真似でもない(本人は何かを模写している

ものもあるのですが)ということにまず感動します。

 

またこの美術館の館長の女性が一人一人の作品についてつけた

短いコメントがまたよくて、それを読むとまた見えるものも違ってきました。

 

<コメント抜粋>

ずっと部屋で自分一人のためにノートに人の顔を描いていました。

その作品が多くの人の注目を集め、海外でも評価されるようになりましたが

本人はそういったことには関心を示さず淡々と制作していました。

おそらくもっと大切なこと、希求してしていたことがあったのではないかと思います。

 

ペンや鉛筆をもつと不思議な線を書き連ねていきます。描かれているひとつひとつの

部分は字のようにも見えますが、本人に何を描いたのか訊くといつも「おかあさん」と

言います。どこがどう母親なのかは本人にしかわからないことです。

 

彼の手の中で粘土は命を宿し、動物や女性のかたちを為す。もっとリアルに形や

躍動感を再現できる作り手はきっといるに違いない。それでも彼の産み出す動物たちは

私たちが知ってるリアルさはないが、その動物の本質を徹底的にかたどっている

ように感じられる。

 

自然や身の回りのものを必死に模写したり、悩んでは消し、消してはまた描きを

延々と繰り返す作家もいたそうです。

誰に頼まれたわけでもない、なんの下心もない創作活動に一体どんな試行錯誤が

あるのか興味が尽きません。

粘土の動物は村井洋さんという人の作品。もうひとつの美術館の中でもアイコン的に

各所に散らばっていました。そのフォルムは館長さんのいうとおり、無邪気で

デフォルメされすぎた形のように見えるのですが、もうなんかすげえかわいいんですよ。

アウトサイダーアートこそ真の芸術だ、と私なんかは思うのですが、そうやって

区別することはかえってよくないのかもしれません。

健常者も、障害のある人もみんな表現すればええやん。それがアートやん。という方が

彼らにとって一番しっくりくるスタンスなのでしょう。

 

が、しかしやっぱりどうしったって絶対に敵わない「なにか」を彼らは持っているわけで

ただただ圧倒される美術館です。

栃木県の里山の中にあり、アクセスはよくありませんが定期的に気合の入った

展示を行っていますので、ぜひ一度訪れてみてください。

校庭で風の又三郎ゴッコもできますよ。

 

 

 

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