早いもので、私がパラパラマンガ作家を自称するようになってから
10年、処女作を作ってから13年が経ちました。
その間、鉄拳さんをはじめとしたブームが到来し、そして
ゆるやかに過ぎ行きました。
でも例えるなら『あまちゃん』が大ヒットして以降の
朝ドラもずっとそこそこの視聴率が続いているように
パラパラを作る側も、固定ファンも一定数確保されたような
感覚を持っています。
元々趣味で作っている人はいっぱいいましたからね。
実に様々なパラパラマンガが世に出回っている中で、改めて
私自身がなんとなくこだわっている点を挙げてみたいと思います。

tamaxのパラパラ“5ない運動”

1.色をつけない
絵の色は最低限の2色くらい、モノトーンにしています。
これは私の考える「パラパラマンガらしさ」を失わないため、
アニメーションとの差別化のためです。
いつもノートの片隅に描いたパラパラマンガとかけ離れてしまわないよう、
「アニメを紙に落とし込んだもの」にならないよう気をつけています。

2.書き込まない
これも1と似たような理由ですが、あまり絵を書き込んでも一瞬で過ぎ去る
パラパラマンガでは意味がない気がするので、人物なども顔が必要ないときは
表情を描きません。


3.動きすぎない
え?パラパラマンガなのに?と思いますが、パラパラマンガで一番おもしろい感じが
するのは動いているところと動いてないところが混在していることだと思います。
なのでフレームの中で全てが動かない方がかえっていいと思うので、あえて
ストップした絵を入れるようにしています。

4.長すぎない
手ではめくれないくらいの長編を描く人もいますが、私は大体いつも1作品100枚前後
厚みにして約1.5cm、時間にして20秒くらいを規準にしています。
手でめくれないとパラパラらしくはないですし、ちょうどいい長さだと思います。


5.重すぎない
人生や世界平和、家族の絆、何を表現するかは自由ですが、私はパラパラマンガの
性質上、そんなに壮大なテーマは似合わないと思っています。
私自身、新作を考えるときは、アイデアからどんどん引き算をしていって、
シンプルにまとめるようにしています。


以上が5ない運動でした。
ただパラパラマンガは作る側にとっても見る側にとっても
コスパが悪いので、爆発的には普及しないんですよね。
作る側:一個作るのが大変な割に値段は高く設定できない
買う側:一瞬で終わってしまって何度も観るものではないのに文庫本よりも高い
作る側のコスパはまあ、根性でどうにかできますが、買う側のコスパ問題の
解決策としては値段以上の価値を数十秒の中に込められるかというとこですよね。
今で言うと「シェアしやすい」とか「キャッチーでみんなにすすめやすい」とか
そういう付加価値があれば一冊1000円とかするパラパラマンガを買おうという
気もおきるかもしれませんね。
もう一つ、違った価値があるとしたらそれは「スティング」でしょうね。
私の大好きな言葉「スティング」。
ただおもしろかったね、可愛かったね、で終わらない心に引っ掛かりを残していくような
問いかけや謎が残るようなチクりと刺す痛みはパラパラマンガにとても似合うと
思っているのです。
それがあれば、誰かとシェアできなくとも、買った人が何度も見て何か感じてくれるなら
文庫本より高い価値があると思います。






 
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